今週のお題「上半期ベスト◯◯」
2023年上半期公開の映画ベスト3と、2023年より前に公開したもので上半期に初めて鑑賞した映画のベスト5をそれぞれ考えてみました。
今回はとても長い記事になっております。
2023年上半期に鑑賞した映画一覧
括弧内は公開年です。2023年公開の映画は太字にしています。
また、2023年上半期に初めて鑑賞した映画には◆印をつけました。
邦画
- 『AKIRA』(1988年)
- 『海がきこえる』(1993年)◆
- 『南極料理人』(2009年)
- 『告白』(2010年)◆
- 『八日目の蝉』(2011年)
- 『万引き家族』(2018年)
- 『カツベン!』(2019年)
- 『グッドバイ 〜嘘からはじまる人生喜劇〜』(2020年)
- 『浅草キッド』(2021年)◆
- 『マイ・ブロークン・マリコ』(2022年)◆
- 『銀河鉄道の父』(2023年)◆
- 『シン・仮面ライダー』(2023年)◆
- 『怪物』(2023年)◆
洋画
- 『時計じかけのオレンジ』(1972年)
- 『タクシードライバー』(1976年)
- 『ブルース・ブラザース』(1981年)◆
- 『フットルース』(1984年)◆
- 『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年)◆
- 『パルプ・フィクション』(1994年)
- 『セブン』(1996年)◆
- 『すべてをあなたに』(1997年)
- 『グッド・ウィル・ハンティング / 旅立ち』(1998年)
- 『ノッティングヒルの恋人』(1999年)◆
- 『恋におちたシェイクスピア』(1999年)◆
- 『ファイト・クラブ』(1999年)
- 『アメリカン・ビューティー』(2000年)
- 『サイダーハウス・ルール』(2000年)◆
- 『アメリ』(2001年)◆
- 『リトル・ダンサー』(2001年)
- 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2003年)
- 『キル・ビル』(2003年)
- 『シカゴ』(2003年)
- 『キル・ビル Vol.2』(2004年)
- 『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年*1)◆
- 『銀河ヒッチハイク・ガイド』(2005年)
- 『バットマン ビギンズ』(2005年)◆
- 『バベル』(2007年)◆
- 『ドリームガールズ』(2007年)◆
- 『マリー・アントワネット』(2007年)◆
- 『ダークナイト』(2008年)◆
- 『ココ・アヴァン・シャネル』(2009年)◆
- 『スラムドッグ$ミリオネア』(2009年)◆
- 『バーレスク』(2010年)◆
- 『ソーシャル・ネットワーク』(2011年)◆
- 『ブラック・スワン』(2011年)
- 『マネーボール』(2011年)◆
- 『ダークナイト ライジング』(2012年)◆
- 『鑑定士と顔のない依頼人』(2013年)◆
- 『スティーブ・ジョブズ』(2013年)◆
- 『ジャージー・ボーイズ』(2014年)◆
- 『天才スピヴェット』(2014年)◆
- 『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)
- 『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』(2015年)
- 『スティーブ・ジョブズ』(2015年)◆
- 『博士と彼女のセオリー』(2015年)◆
- 『ミケランジェロ・プロジェクト』(2015年)◆
- 『イーグル・ジャンプ』(2016年*2)◆
- 『マネー・ショート』(2016年)◆
- 『オリエント急行殺人事件』(2017年)
- 『ベイビー・ドライバー』(2017年)
- 『アトミック・ブロンド』(2017年)◆
- 『犬ヶ島』(2018年)
- 『グレイテスト・ショーマン』(2018年)
- 『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)
- 『君の名前で僕を呼んで』(2018年)◆
- 『メリー・ポピンズ リターンズ』(2019年)◆
- 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)
- 『ロケットマン』(2019年)
- 『1917 命をかけた伝令』(2020年)
- 『フォード VS フェラーリ』(2020年)
- 『ドント・ルック・アップ』(2021年)◆
- 『キングスマン ファーストエージェント』(2021年)◆
- 『コーダ あいのうた』(2022年)◆
- 『ハウス・オブ・グッチ』(2022年)◆
- 『エルヴィス』(2022年)◆
- 『AIR / エア』(2023年)◆
- 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023年)◆
- 『テトリス』(2023年*3)◆
- 『バビロン』(2023年)◆
2023年上半期公開の映画ベスト3
2023年上半期公開の映画の鑑賞数が少ないため、洋画と邦画を合わせたベスト3にしました。五十音順です。
『怪物』
公開年:(日)2023年6月2日、(仏)2023年5月17日カンヌ国際映画祭にて上映。
上映時間:126分
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
音楽:坂本龍一
あらすじ
大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー、
生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。
しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、
大事になっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。
先月公開したばかりの映画ですが、ベスト3に入りました。
「怪物だ〜れだ」という印象的な言葉が予告映像でも用いられており、上映時間全体を通して「誰が怪物なのか」と考えながら観ていきました。
しかし物語が進むにつれ「自分はこれまで何を見ていたのか」と、自分の視点の極端さを見せつけられるかのような作品でした。
今作の感想などを読むと黒澤明『羅生門』と重ね合わせている方がいますが、まさしくそのような印象で、現代版『羅生門』で間違いないと個人的には納得の作品です。
また、小学校教師の「保利先生」は永山瑛太さん以外ありえないと思うほどでした。
小学校という場所で起こる予期せぬ出来事への対応や、その時々で見せる表情が絶妙で、教師やひとりの人間という両方の立場から「保利先生」を目にし、どんどん引き込まれていきました。
永山瑛太さん出演のドラマ『最高の離婚(2013年)』が坂元裕二さんが脚本を担当したドラマの中では特に好きな作品なので、両者をふたたび同じ作品で見ることができたことも嬉しかったです。
その他にも語りたいところが多いのですが、感想記事を現在書いている最中なので詳しくはそちらで書いていこうと思っています。7月中には感想記事を公開する予定です。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
公開年:(米)2022年12月24日、(日)2023年4月28日
上映時間:93分
監督:アーロン・ホーバス、マイケル・イェレニック
あらすじ
ニューヨークで配管工を営む双子の
兄弟マリオとルイージ。
謎の土管で迷いこんだのは、魔法に満ちた新世界。
はなればなれになってしまった兄弟が、
絆の力で世界の危機に立ち向かう。
任天堂の大人気ゲーム『スーパーマリオ』のアニメ映画化ということで、『ミニオンズ』や『SING / シング』などの作品を制作したイルミネーションと任天堂の共同制作という贅沢な一作。
物語は原作の枠から大きく離れることはなく新たな要素は少なかったですが、目が離せない展開が続き、映画館で初めて鑑賞した際には売店で購入した飲み物を飲むことさえ忘れるほどでした。
マリオとルイージの関係性や、頼れる存在としてピーチ姫がマリオたちと共闘する姿が特に印象的でした。
ゲームをプレーしたことのある人はもちろん、マリオの基本設定を少しでも知っている人ならば十分楽しめる作品だと思います。
レビューなどではストーリー性の弱さを指摘する感想も目にしましたが、一作目ということで原作から大きく逸脱しなかった点を個人的には評価しています。
『テトリス』
公開年:2023年3月31日 Apple TV+にて配信開始。2023年3月15日には米国テキサス州で開催された大規模イベント「サウス・バイ・サウスウエスト」で上映。
上映時間:118分
監督:ジョン・S・ベアード
あらすじ
アメリカのビデオゲームセールスマン、ヘンク・ロジャース(タロン・エジャトン)と、彼が1988年に見いだしたテトリスを巡る実話を基にした作品。このゲームを世界に発信しようとしたヘンクは、張り巡らされたウソと鉄のカーテンに隠された腐敗した世界に足を踏み入れることになる。
ナイキの「エア・ジョーダン」誕生秘話にまつわる『AIR / エア』とも悩みましたが、同じく実話をもとにした『テトリス』をベスト3に選びました。
「テトリス」は多くの人が実際にプレーしたことのあるゲームではないでしょうか。
米ソ冷戦中の時代にソ連のソビエト外国貿易省の管理下だった国営企業「Elorg」で働くプログラマーのアレクセイ・パジトノフによって開発されたゲーム「テトリス」を任天堂ゲームボーイ向けのソフトとして販売するにあたっての権利争いに迫る作品です。
1988年当時に「テトリス」の可能性に着目し、任天堂に掛け合ったアメリカのビデオゲームセールスマンのヘンク・ロジャースを主人公とした作品であり、開発秘話というよりも開発後の権利問題に焦点を当てた作品ですね。
共産主義社会だったソ連では資本主義的な考え方で権利を獲得することは難しい上に、ヘンクと同様に「テトリス」に着目していた存在が複数おり、それらとの権利獲得争いが手に汗握る展開で描かれます。
特にKGBとの緊迫したやりとりには目が離せず、全体的にテンポが良かったです。
権利問題についてはゲーム「テトリス」のWikipediaのページ*4で「ライセンス」についての項目を読むと、だいぶ入り組んでおり理解するのが難しかったのも、本作を鑑賞し当時のソ連の仕組みなどを踏まえると納得の複雑さだと思いました。
それらの複雑な権利問題と、ビジネスマンであるヘンクと開発者であるアレクセイの関係の変化も描かれることで、作品全体を通して2011年公開のfacebook誕生とその権利に迫った映画『ソーシャル・ネットワーク』を想起させられました。
作品内容以外の面で少し残念なのが、本作が劇場公開しなかったことです。
カーチェイスシーンなどの視覚的な見どころもあるので、その点からも配信だけなのが勿体無い作品だと思っています。
余談
余談ですが、この『テトリス』の部分を書いているうちに「テトリス」をやりたくなり、ちょうど「ピクミン」とのコラボ期間だったのでひさびさにNintendo Switchの「テトリス99」をプレーしました。
あっという間に没頭してしまい、この記事の文字列にテトリスミノを組み合わせて見てしまうようになり、「テトリス効果」なるものに片足を突っ込んでしまったようです。テトリスおそるべし。
2023年上半期初鑑賞の映画ベスト5
2023年上半期に初めて鑑賞した映画で2023年公開ではない映画でベスト5を考えました。
上半期に初めて観た邦画が少ないため、洋画と合わせて絞りました。五十音順です。
『浅草キッド』
公開年:Netflixにて2021年12月9日から世界同時配信
上映時間:123分
監督:劇団ひとり
あらすじ
幻の浅草芸人と呼ばれた深見千三郎の下で修業を始めたタケシ。やがて苦境に立たされる師匠と対照的に、タケシは人気を博してゆく。芸人ビートたけしの誕生秘話。
2021年配信開始のNetflix限定作品。
1972年、浅草にあるフランス座という劇場でエレベーターボーイとして働いていたタケシが、その劇場で幻の芸人と呼ばれた深見千三郎の芸を見て自分も舞台に立ちたいと思い、芸の道に進んでいくお話。
ビートたけしはテレビでの活躍のイメージが強く、浅草の舞台から芸の道に進んだと知り驚きました。
深見との師弟関係とその当時の芸人の居場所の変化など、時代的な背景も丁寧に描かれている印象で、観光地としてではない視点で浅草を見てみたいという気持ちにもなりました。
また「芸」の居場所は流動的で、現代もその傾向はあるのかもしれないとしみじみ思いました。
そのため、本作は日本の芸事に関する記憶としても意義のある作品なのではないかと思います。
『海がきこえる』
公開年:日本テレビにて1993年5月5日放映
上映時間:72分
監督:望月智充
あらすじ
高知・夏・17歳 ぼくと里伽子のプロローグ。東京の大学に進学した杜崎拓(もりさきたく)は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子(むとうりかこ)に見えた。だが里伽子は高知の大学に行ったのではなかったのか。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻っていった。――里伽子は勉強もスポーツも万能の美人。その里伽子に、親友の松野が惹かれていることを知った拓の心境は複雑だった。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは…
氷室冴子による同名小説を原作としたスタジオジブリ制作で日本テレビ放送のスペシャルアニメです。
映画枠に入れるのを迷いましたが、のちに劇場公開をしているということで映画枠に入れました。
本作は高知県を舞台にし、大学生の主人公・杜崎拓が高校の同級生・武藤里伽子と松野豊との思い出を回想していく物語です。
東京出身の里伽子が転校してきたことで、拓と松野の関係や学校生活が変化していく様子は他のジブリ作品とは異なる現実性があって引き込まれました。
また、里伽子の背景にある複雑な事情や、それを表に出さずにいることで生じる周囲との軋轢の描写は思春期の心情も加わって生々しくもありました。
その里伽子に振り回されつつも、自分の考えをもって彼女をみている拓や、松野の絶妙な関係の描かれ方が素晴らしく、高知県の風景が主人公たちの思い出に溶け込んでいて、高知県民を羨ましく思うほどでした。
レンタルで鑑賞したため特典映像も鑑賞し、舞台となった高知県がどのように作中に落とし込まれたのかを知り、ますます高知県に行ってみたいと思うようになりました。帯屋町の商店街を歩いてみたい…
ジブリ作品は日本テレビの金曜ロードショーで毎年放送されていますが、本作は初回放送時と2011年7月15日のみの放送*5ということで、タイトルは知っているけれど観たことはないという人も多いのではないでしょうか。木暮もその中のひとりでした。
上映時間の短さからか、金曜ロードショーではなかなか放送されにくいのかもしれませんが、この作品こそ夏に放送してほしい映画です。
また、最近は猛暑日が多いので難しいですが、窓を開けて少しぬるい風を入れつつ扇風機をつけて麦茶を片手に夕方からブラウン管テレビで観たい作品だと思いました。
アスペクト比的にはブラウン管は難しいかもしれませんが、できればテレビデオで観たい…
原作の小説では本作で描かれなかった部分もあるようなので、原作小説も読みたいと思っています。
『コーダ あいのうた』
公開年:(米)2021年1月28日*6/2021年8月13日、(日)2022年1月21日劇場公開
上映時間:111分
監督:シアン・ヘダー
あらすじ
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。
2023年6月16日に金曜ロードショーでも放送されましたね。
タイトルの「コーダ(CODA)」は以下の意味合いがあります。
コーダ(CODA)とは、Children of Deaf Adults=「耳の聴こえない両親に育てられた子ども」の意。音楽用語としては、楽曲や楽章の締めや、新たな章の始まりを意味する。
(引用)「コーダあいのうた」がこだわった障害者の描き方 | 映画・音楽 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
主人公のルビーは4人家族で自分だけ耳が聞こえ、家業の漁業を手伝いながら高校に通う生活を送っていました。
漁の都合で午前3時にアラームをかけ家族を起こして漁に出て、他者との意思疎通の場面では通訳的な重要な役割を担っているなど、家族が生活を送るためにも欠かせない存在であることがわかります。
しかしルビーはひとりの高校生でもあり、自身の将来について向き合っていくことになります。
同じ高校の憧れの存在だったマイルズと同じ合唱クラブに入り、そこで音楽教師のベルナルドから音楽の才能を認められ、高校卒業後の進路に音楽の道が現れたことでルビーは家族と音楽の間で揺らいでいきます。
ルビーたち家族が置かれている状況から金銭面での困窮や他者との交流のあり方などがシビアに描かれ、木暮が思っている以上に過酷な環境で暮らす様子や、その中でも当事者は他者に頼りっぱなしではないなど、ステレオタイプな描かれ方が少なかったのが特に印象に残っています。
また、音が聴こえないことと、その上で音を聴くということの描写も映像ならではの見せ方で、視覚的にも聴覚的にも登場人物と一体化する作品でした。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』
公開年:(英)2004年4月9日、(日)2019年3月29日*7
上映時間:99分
監督:エドガー・ライト
あらすじ
ロンドンの家電量販店の店員で29歳のショーンは、親友のエドとパブに入り浸るだらしない毎日を送っていた。長年の恋人リズにも愛想を尽かされたショーンは、このままではいけないと生活を変える決意をするが、その時、街にはゾンビが溢れ、人々を襲い始める。ショーンは母親とリズを守るため、エドと協力して行動を起こす。
ゾンビが出てくるということで観る前は少し身構えましたが、取り越し苦労でした。
物語冒頭の日常風景から徐々に街が変化していく様子はグラデーション的に自然な上に、コメディ要素や伏線回収の嵐もあり思わず膝を打つほど。
物語の冒頭で主人公ショーンの日常が映し出され、通勤途中に映る人たちの脱力感や、徐々に変化する街への無関心さなどは秀逸でした。
ショーンたちがゾンビの存在を認識してからは、それまでの無気力な主人公たちから一変し、ゾンビに立ち向かっていく姿には胸が熱くなりました。
また、ゾンビと対峙していく中で主人公が抱えていた問題にも変化が起こったり、挿入歌が印象的なシーンもあったりと、同じシーンを何度も巻き戻して観るなど本作は個人的に何度でも観たい”スルメ映画リスト”入りもしました。
『天才スピヴェット』
公開年:(白・仏)2013年10月16日、(日)2014年11月14日
上映時間:105分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
あらすじ
主人公は、10歳の天才科学者スピヴェット。彼が独りで決行した、アメリカ大陸を横断するという、壮大なスケールの家出が描かれる。自分の才能を理解してくれない家族に黙って、権威ある科学賞の授章式に出掛けたのだ。ジュネ監督は自身初となる3Dに挑戦、独自の世界観を極めたプロダクション・デザインで徹底的に作りこんだ映像が、観る者をまさに夢の旅へと連れ出す。
人並み外れた想像力と好奇心でキラキラ輝く瞳が愛らしいスピヴェットには、これが映画デビュー作とは信じられないカイル・キャトレット。昆虫の研究に人生を捧げる風変りな母親役には、『英国王のスピーチ』やティム・バートン監督作品でおなじみのヘレナ・ボナム=カーター。
実はスピヴェットの家族は皆、彼の弟の死によってポッカリ空いた心の穴を抱えていた。それを小さな体で懸命に埋めようとするスピヴェットの健気な姿は、涙なくしては見られない。スピヴェットは無事に家へ帰り、家族は再び心を通い合わせることができるのか?
(引用)天才スピヴェット | ギャガ株式会社(GAGA Corporation)より一部抜粋
2001年公開の映画『アメリ』でも知られるジャン=ピエール・ジュネ監督による本作は日本での上映館が少なかった作品です。
そのため公開当時は本作のことを知らず、日本公開から約9年たった今年に初めて鑑賞することになりました。
アメリカのモンタナ州パイオニア山地を舞台に、主人公の少年T・S・スピヴェットと家族の関係が描かれます。
T・Sは父母、姉、弟と自然豊かな牧場で暮らしていました。
知的好奇心旺盛なT・Sは雑誌に論文が掲載されたこともあり、普段から頭はフル回転で、常に疑問に思ったことを解明しようとノートに綴っています。
一方、T・Sの二卵性双生児の弟、レイトンは体格もよく豪快な性格で相棒の犬のタピオカと、モンタナの自然の中でのびのびと暮らしていました。
しかし、レイトンはT・Sと遊んでいたときに銃の事故で亡くなり、家族はその出来事の受け止め方がわからずにおり、T・Sはずっと自分を責め続けていました。
そんな中、T・Sが考えた磁気車輪(永久機関)がスミソニアン学術協会から認められますがT・Sの才能は家族には理解されず、彼は授賞式に出席するために誰にも告げずに家を飛び出します。
この出来事によって、T・Sと家族はそれまで目を背けてきたことに向き合うようになります。
ひとりで家を飛び出したT・Sの旅路ではアメリカの広大な自然を存分に目にし、その途中で出会う人々もあたたかく、授賞式を経てT・S自身が自分の気持ちを認める過程には胸が熱くなりました。
さいごに
ベストを選ぶって、なかなか難しいですね。
上記はとても悩んだ上でのベストですが、あくまでこの記事を書いた時点でのベストだと思い込んでなんとか書いてみました。
それに加え、もともと筆が遅い木暮はベストの選定から記事公開まで、だいぶ時間がかかってしまいました。その結果、「今週のお題」に間に合わなかった…
今年に入りNetflixの加入などもあって映画鑑賞の機会が増え、思っていたよりも鑑賞していましたが、まだまだ観たい作品はあるので下半期も今回の記事のように書き出してみようと思っています。
特に邦画ですね。
もっと観ていたかと思いきや、本当に少なかったので我ながら驚きました。
2023年下半期は邦画の開拓なるか…!