やおら日記

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【洋画】『ショーン・オブ・ザ・デッド』感想

 

The Z word. Don't say it! Because it's ridiculous!

 

「ゾンビって言うな!滑稽だろう!」

 

 

2017年公開の映画『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督によるイギリスで2004年に劇場公開したゾンビコメディ映画。

 

どんな計画も失敗に至る主人公ショーンが、ゾンビの脅威から大切な人を守っていく。

 

 

ショーン・オブ・ザ・デッド』概要


www.youtube.com

公開年:(英)2004年4月9日、(日)2019年3月29日*1

上映時間:99分

監督:エドガー・ライト

 

あらすじ

ロンドンの家電量販店の店員で29歳のショーンは、親友のエドとパブに入り浸るだらしない毎日を送っていた。長年の恋人リズにも愛想を尽かされたショーンは、このままではいけないと生活を変える決意をするが、その時、街にはゾンビが溢れ、人々を襲い始める。ショーンは母親とリズを守るため、エドと協力して行動を起こす。

(引用)ショーン・オブ・ザ・デッド:映画・アニメ|KADOKAWA

 

感想

2017年公開の映画『ベイビー・ドライバー』のエドガー・ライト監督によるイギリスで2004年に劇場公開した作品。

 

2019年3月に日本で劇場公開していましたが、木暮はなぜか当時公開していたのを知らなかったんですよね…なので今回、レンタルにて初めて鑑賞することになりました。

 

加えて、ゾンビがここまで登場する映画を観たのは今作が初めてでした。そのため、他のゾンビ映画との比較はできません。

 

しかし今作を機に他のゾンビ映画の沼に近づこうか否か、考えあぐねています。

 

今作はオープニングの日常風景でさえも後々の展開に影響していき、映画全体を通して「伏線回収」がとても心地よく、特に最後のシーンには思わず膝を打ちました。

 

主人公の同居人同士の喧嘩に出てきた「納屋」というワードでさえも…

 

 

物語は主人公のショーン(サイモン・ペッグ)と恋人のリズ(ケイト・アシュフィールド)が行きつけのパブ「ウィンチェスター」で言い争うところから始まります。

 

2人の言い争いの元凶はショーンの幼馴染で同居人のエドニック・フロスト)にあり、いつもショーンの近くにエドがいることでリズは恋人同士の時間が持てず、ずっとこのパブで歳を食っていくのではないかという不安をショーンに打ち明けます。

 

ショーンはその状況に危機感を抱き、2人だけのディナーの場を設けようと計画しますが、うっかりしてお店の予約をしなかったためにリズとの関係がより険悪なものに。

 

一方、ロンドンの街では徐々に変化が訪れていました。

 

毎朝、職場の家電販売店に向かう際、自宅近くのお店でドリンクを買いレジ前で新聞の見出しに目をやり、レジで店主と短い会話を交わしバスに乗って出勤するというルーティンを送っていたショーン。

 

そのルーティンには犬の散歩をしている男性とのやりとりや、サッカーボールで遊ぶ少年、車の掃除をしている男性、ランニングをしている男性などとすれ違います。

 

そんな「モブ」だった通行人の彼らも含めて、日を追うごとに街に不穏な雰囲気が漂っていきます。

 

ニュースなどでは街が徐々に変化していることが報道され、実際に野生の鳥を捕まえて食べようとする人物などが画面の端端に写り、ショーンの周りにも着実に変化が訪れていることがわかります。

 

しかし、当のショーンはそういった変化には気づかず変わらない生活を送っており、彼がいかに周囲に興味がないのかがわかりますし、その他にもショーンのかつての知り合いの女性も周囲の変化に注意を払わず彼と世間話を続ける様子などから、ショーンの周囲の人間が街の変化に無頓着なようにもみえます。

 

また、ショーンの通勤過程に映る人間たちの脱力加減が、どこからがゾンビなのかがわからないほどです。

 

ショーンと同じバスに乗る乗客の中でも、ショーンの斜め後ろに座っていた男性の乗客は、一瞬「ゾンビか?」と思うほどの生気の失い方で、一瞬「この人はゾンビなのか人間なのか」と考えてしまいました。

 

 

こう言ってはあれですが、通勤風景って日本とそこまで変わらないのだなとも思いまして…

 

 

日本でも通勤電車にいる人たちって生気があまり感じられないと思っています。木暮もその一員でしたし、通勤電車なんて地獄への貨物列車とさえ思ったこともありました。

 

満員電車なんかに乗ると鮨詰め状態で、生気のない人間たちがただただ輸送されているだけな感じもしますし、下手したら日本でも同様に街がゾンビに覆われても気づくのに時間がかかりそうだなとも思いました。

 

 

さて、そんなショーンが周囲の変化に確実に気づくことになったのが、彼の住む家の庭にゾンビになった女性が入り込んだことによってでした。

 

見知らぬ女性とのコンタクトを図ろうにも、コミュニケーションが取れない上にショーンに襲いかかってくるため、身の危険を感じたショーンとエドは彼女(ゾンビ)に応戦します。

 

結果、難を逃れた2人は家の中に戻りテレビをつけニュースを見ると、街を襲っているゾンビのことやそれらの撃退法が示され、自分たちが置かれている状況を把握します。

 

そして身近な人たちをゾンビの脅威から守る計画を立てるショーンとエド

 

政府からは自宅に待機するように言われていますが、2人は計画実行のために自宅から飛び出し、ゾンビがいる街中に繰り出していきます。

 

その後、街では様々なトラブルに遭い、相棒のエドの奇想天外な行動にも悪戦苦闘しつつ計画を遂行していくショーン。

 

普段の計画力のなさによって信頼を失いつつあったリズとの関係はゾンビとの戦いの中では一旦、横に置いておくことにしますが、リズの友人たちとショーンたちのドタバタによって、ホラー要素とコメディ要素が入れ替わり立ち替わりで、リズとショーンの関係も変化していきます。

 

 

鑑賞前は『ベイビー・ドライバー』でも音楽の使い方が秀逸だったエドガー・ライト監督作品ということもあって、映画と音楽がどのような化学反応を起こすのか気になっていました。

 

結果、木暮的には期待していた以上のもので、同じシーンを何度も巻き戻して観ました。

 

行きつけのパブで自然と流れる曲も、後から曲名を調べると納得の選曲でしたし、ゾンビとの戦いで流れるQUEEN『Don't Stop Me Now』は、ショーンたちの動きに合いすぎていて視覚も聴覚も釘付けになるほどでした。

 

ゾンビ映画ということでホラー系が苦手な木暮は身構えましたが、思っていたよりもグロテスクな描写はなく、またコメディ要素もあり物語的にも好きな上に伏線回収が見事なので、個人的に何度も観返したくなる”スルメ映画”リストに刻まれました。

 

関連サイト

www.kadokawa.co.jp

関連記事

同監督作品『ベイビー・ドライバー』の感想記事です。やはり曲の使い方が好きです。

yaora-diary.com

 

*1:日本では2004年12月にDVDを発売したため劇場公開がされませんでしたが、15年後に劇場公開を果たしました。