購入した本のアーカイブ計画 ─6月編─
2023年6月に購入した本と読んだ本の感想記事です。
6月に購入した本
出版年月日、出版社は割愛しています。
- 赤瀬川原平・藤森照信・南伸坊『路上観察学入門』
- 石塚真一『BLUE GIANT』4巻セット
- 今井むつみ『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』
- 斉藤孝『座右の世阿弥』
- 宮下奈都『羊と鋼の森』
- アンデュ・ハンセン『スマホ脳』
- アンデュ・ハンセン『最強脳』
- ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』
- マシュー・ライス『英国の民家 解剖図鑑』
- ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』
- 『BRUTUS 2023年6月1日号 珍奇鉱物』
- 『POPEYE 6月号 レコードと時計』
アンデュ・ハンセンの「脳」シリーズは以前から気になっていた本で、時期はだいぶ遅れましたが読んでみようということで購入しました。
こういった本には特にナマモノに近い感覚を感じるので、早めに読み切ろうと思っています。
スマホがなかった頃は、時間がたくさんあったような気がするんですよね…
少し前の「今週のお題」であった「読みたい本」では荒木飛呂彦の『ジョジョの奇妙な冒険』を挙げていましたが、今月は石井真一『BLUE GIANT』を購入しました。
アニメ映画化された漫画作品ですね。アニメ映画を観に行った知人たちからもおすすめされていたので、まずは4巻セットを読んでみようと思います。
以前何かの記事で書いた気がするのですが、漫画は電子書籍で買おうというマイルールが、いつの間にかなくなってしまい最近では電子書籍に触れることが全くなくKindleの立場が危うくなっています。
あとから振り返ったりするときに電子書籍はどうしても面倒に感じるんですよね…
端末の電源を入れて該当の本をタップして、気になっている箇所を探して…という過程が特に厄介に感じてしまっています。
本の収納容量(物理)的にも電子書籍をうまく使いこなせればベストなんですが、いまのところ使いこなせていません。
二者択一になってしまうのか…
今井むつみ『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』は、先日感想記事を公開した三木那由他『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』を読んでますます会話というものに興味が湧いたので購入しました。
人間がなぜ言語を持つのかに加え、子どもの言語習得やオノマトペの観点から言語の本質に迫るということで、『会話を哲学する』にも通じるものがありそうだと思っています。
こちらの本は7月中には感想記事を公開できそうです。
ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』は2005年公開の映画は観たことがありましたが、原作は未読でした。
というかこの本を購入後に調べたところ、もともとはイギリスBBCのラジオドラマから始まり小説化に至ったそうで、その流れに驚きました。
まさかラジオドラマが始まりだったとは…
余談ですが、映画内では2つ折りの電子端末が『銀河ヒッチハイク・ガイド』という電子本でしたが、現代だとタブレット端末がそれに値する気がして妙に現実の時の流れを感じています。
マシュー・ライス『英国の民家 解剖図鑑』
著者:マシュー・ライス(Matthew Rice)、翻訳:岡本由香子、監修:中島智章
出版年月日:2023年5月31日 初版第1刷発行
出版社:株式会社エクスナレッジ
著者について
画家、デザイナー、作家。『英国建築の解剖図鑑』『英国教会の解剖図鑑』(ともにエクスナレッジ刊)をはじめ、英国の建築に関する著書多数。
陶芸家のエマ・ブリッジウォーターとの長年にわたるコラボレーションでも知られる。
現在はオックスフォード近くにある中世のゲートハウスに住んでいる。
本の内容
英国の田舎を彩る、小さな民家。
何代にもわたって住み継がれてきた家々を、
窓や扉、屋根の細部にいたるまで画家の目で詳細に記録した、
いわば「英国古民家カタログ」。
カントリーハウスやお城だけではない、
市井の人々が暮らしてきた民家にこそ、
英国の魅力が隠されているのです。
資料やガイドブックとしてはもちろん、
眺めるだけで英国を旅している気分になる一冊です。
序文を英国王チャールズ3世(執筆当時はプリンス・オブ・ウェールズ)が寄稿、
解説は『日本でもできる!英国の間取り』の山田佳世子さんが執筆しています。(引用)X-Knowledge | 英国の民家 解剖図鑑より一部抜粋して引用
イギリスの伝統的な民家をその土地の歴史や地形、商業など複数の面から迫っていく一冊。
各地方の特色も踏まえて伝統的な民家を記録しているということで、単純な好奇心から購入しました。
この本を購入する直前に2000年公開の映画『リトル・ダンサー』(原題:Billy Elliot)を鑑賞したこともあって、映画の舞台になったイングランド北部についてのページは特に面白かったです。
『リトル・ダンサー』では主人公ビリーがイングランド北部のダラム州の炭鉱町で踊り、町を一望できるシーンが多々あったこともあって、この本を読んでいると自然と映画で観た街並みを思い出しながら読むことになりました。*1
イングランド北部では石造りの民家が主流だそうで、『リトル・ダンサー』でもそうだったなと思い返しました。
イングランド北部では昔から石造りの家が主流で、だからこそ古い建物が多く残っています。建物がその役割を終えても石材はまだまだ使える場合もあり、取り壊しで不要になった石材(とくに化粧石)が再利用された結果、一見すると質素な納屋に細かな細工の入った石材が組み込まれていることもあります。
(引用)マシュー・ライス『英国の民家 解剖図鑑』p.130
石材を使用している分、古い建物が残りやすいということや、不要になった場合はその石材を再利用できるというのは、本著を読んで初めて知ったことだったので、こういったことを踏まえた上で映画を鑑賞するのも面白そうだと思いました。
これまでイギリスの地方の名称やその歴史については知らずにおり、こうやって建物という視点からその土地の歴史や産業などを知ることができ、とても面白かったです。
またイギリス国内では伝統的な建物を残すという取り組みがされているようで、そちらも興味深いと思いました。
本書の監修者の中島智章さんの解説からイギリス人の約6人に1人は100年前の家に住んでいることも知りました。
日本でも寺院や歴史的建築物を中心に何百年も前の建物がありますが、民家ではなかなかないような気がします。
やはり日本の場合は木造や地震の多さが関係しているのでしょうか。
日本に住んでいても日本の民家についてはほとんど知らないのだと本書を読んであらためて実感したので、日本の民家についての本も探してみようと思います。
本書の著者マシュー・ライス氏のインタビュー動画がYouTubeにありました。日本語字幕もあります。
この時期の書店
各社の正確な時期はわかりませんが、6月の後半に入ると書店では集英社文庫や新潮文庫、角川文庫の夏の文庫本フェアが始まります。
木暮の地元TSUTAYAも上記のフェアに加え、小学校の推薦図書や自由研究の本のコーナーも広がっていて、すっかり夏の装いでした。
この記事を書いている時点で木暮の地域はまだ梅雨明けしておらず、気分がなかなか晴れませんが、ひと足先の夏の到来にだいぶ気分が晴れました。
毎年行われるこの文庫本フェアでは文庫本が一面に並べられ、タイトルは知っているけどまだ読んだことがない本などの「以前からちょっと気になっていた本」をあらためて目にすることになるので、あのコーナーの前にいるとワクワクが止まらないんですよね。
そして財布の紐がユルユルになるという。
また、小学生向けの推薦図書のコーナーも楽しみのひとつです。
木暮が小学生の頃にもあった本はもちろん、最近の社会情勢に合わせた本などもあり、知った気でいるような物事についての本があるとついつい手に取ってしまいます。
小学生向けとはいえ、侮れませんよね。
文庫本フェアが始まると迫り来る夏と未知との遭遇で胸が高鳴るので、この時期の書店が1年で1番好きかもしれないなと思った木暮でした。