やおら日記

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【洋画】『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』感想

 

主演のマット・デイモンと、作中で主人公の親友役を演じっているベン・アフレックが共同で脚本を執筆した今作。

 

先日公開した『AIR/エア』でも2人が共演しているので、久々に今作を観たくなり鑑賞しました。

 

 

『グッド・ウィル・ハンティング』概要


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公開年:(米)1997年12月5日、(日)1998年3月7日

上映時間:127分

監督:ガス・ヴァン・サント

脚本:マット・デイモンベン・アフレック

 

あらすじ

マサチューセッツ工科大学で、数学の難問を解いた天才青年ウィル・ハンティング。周囲に心を閉ざし、暴力傷害で逮捕された彼は、やがて大学講師ショーンのセラピーを受け始める。

(引用)グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー

 

感想

今作では幼少期の虐待が原因で自己開示が困難な青年ウィル・ハンティング(マット・デイモン)の人間的成長が描かれます。

 

ウィルはマサチューセッツ工科大学の清掃アルバイトをして生計を立てていましたが、暴行事件等を起こし鑑別所入りを繰り返すという素行の悪さの一方、清掃していた廊下の黒板にあった超難問の数式をいとも簡単に解くなど、天才的な頭脳を持っていました。

 

そんなウィルは南ボストンの友人たちといつも行動を共にし、夜はバーで酒を飲み休日は野球観戦に行くという平凡な日々を送っていたところ、超難問の数式を解いたことで大学の数学教授ジェラルド・ランボー(ステラン・スカルスガルト)に認められたことで、徐々に生活に変化が訪れます。

 

鑑別所入りを繰り返していた状況から更生をするため、週1回のカウンセリングを受けることになったウィルは、ランボー教授の計らいで何人かの心理学者のもとでカウンセリングを受けることになりました。

 

しかし一向に自己開示をしないウィルにカウンセリングは難航し、ランボー教授はかつての同級生で心理学者のショーン・マグワイアロビン・ウィリアムズ)に更生の手助けを頼みます。

 

しぶしぶカウンセリングを引き受けたショーンは、幼い時の虐待によって受けた心の傷が原因で自己開示ができず、他人と深い関係が築けないウィルに手探りながらも付き添っていきます。

 

そんなショーンも過去の出来事から立ち直ることができずにいて、ウィルの苦しみとともに過ごす中で、自身の苦しみにも目を向けるようになります。

 

 

今作では主人公ウィルの成長も中心に描かれていますが、主人公周辺の人間も徐々に変化していく様子に胸を打たれます。

 

中でも特に印象的なのは、ずっと前に進めずにいたウィルに対しチャッキー・サリヴァンベン・アフレック)が言葉によって、背中を強く押すシーンです。

 

1番近くでウィルと過ごしていたからこそ、そして彼という人間を認めていたからこその言葉で、ずっと自分の世界にいることを選んでいたウィルにとっては、あれほど勇気づけられる言葉はないと思います。

 

 

また、ランボー教授など大人たちもウィルの才能をきっかけに見ざるを得なくなった現実と向き合うことになり、「才能」に大きく掻き乱されながらもそれぞれの道を突き進むことを決意するのも印象的でした。

 

 

物語全体を通して”天才的な頭脳をどのように活用するか”に比重が置かれていない分、才能の発見をひとつのきっかけにして、本人も周囲の人間も変化する様が丁寧に描かれている点が、今作を好きな理由のひとつです。

 

 

才能はあるが過去の経験によって自己開示に強い不安を感じているがために、現実に真剣になれないウィルには、おそらく共感する人も多いはず。

 

才能の有無に限らず他人に見捨てられることに不安を抱くのは、多くの人間に共通する感情ではないでしょうか。

 

ウィルもそういう強い不安によって、せっかく差し伸べられた手を掴むことを拒んでしまう。

 

 

そして「これでよかったのだ」と自分を納得させることで、ますます自分の世界を狭めていくことの繰り返し。

 

 

でもウィルはすでに1人ではないし、ずっと身近にいたチャッキーや、カウンセリングを通して交流したショーンの存在などによって、徐々に自分自身を認めることができるようになっていきます。

 

 

最初は才能によって認められたウィルが人間としても認められ、自分自身を認めていく過程には、自分から未来の不安を先取りすることもないのだと優しく諭されているようで、そっと背中を押してくれる作品でした。

 

 

余談ですがマット・デイモンベン・アフレックの人生もまるで映画かと思う人生なので、いつか映画化してくれないかなとずっと思っています。

 

関連記事(2023年5月22日追記)

マット・デイモンベン・アフレックによるナイキ「エア・ジョーダン」誕生に迫る2023年4月公開の映画『AIR / エア』の感想記事です。

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