やおら日記

日々のあれこれを なんやかんや書いているナマケモノ日記

【洋画】『フットルース(1984年)』感想

 

ケニー・ロギンスの楽曲でもお馴染みの『Footloose』。

 

ダンスとロックが禁止されたアメリカ中部の田舎町にやってきた少年が、その状況に変化をもたらしていくお話。

 

 

フットルース』概要


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公開年:(米)1984年2月17日、(日)1984年7月14日

上映時間:107分

監督:ハーバート・ロス

 

あらすじ

ある事故がきっかけでロックもダンスも禁じられた町に、都会から転校してきたレン。抑圧された高校生活に苛立ちを感じはじめた彼は、自由を取り戻すため、ダンス・パーティを開催する事を提案する。しかし、実現への道は険しさを見せていた…。

(引用)フットルース / Footloose [DVD] / パラマウント ジャパン

 

感想

何年かぶりに2度目の鑑賞。

 

1998年には舞台化もされ、2011年にリメイクとして映画『フットルース 夢に向かって』も公開されました。*1

 

ケニー・ロギンスによる劇中歌『Footloose』がとても有名なので、ご存知の方も多いはず。

 

また他にも、ボニー・タイラーによる今作のために録音した『Holding Out for a Hero』などの名曲も登場します。

 

楽曲『Footloose』同様に、たびたび耳にする曲ですね。最近では『マリオ』でも…

 

 

 

シカゴからアメリカ中西部の保守的な田舎町に引っ越してきたレン・マコーミック(ケヴィン・ベーコン)が、その生活に辟易していた高校生たちとともに、現状を変えようと奮起する物語。

 

舞台となる田舎町は田舎特有の閉塞感に加えて高校生による交通事故の影響からダンスとロックが禁止された町。

 

常に監視されているような状況で、若者たちはそれに不満を抱きつつ表立って行動を起こすことはありませんでした。

 

町の教会の牧師ショー・ムーア(ジョン・リスゴー)は、町の若者に悪影響が出ることを危惧し自らダンス禁止令を出した張本人で、町民に対しても日頃から交流をして聖書に基づいた話を説くなど、厳格な牧師として町の調和を保つことに奮闘していました。

 

しかし、その娘のアリエル(ロリ・シンガー)は、身の危険を顧みない行動をとったり、ダンスやロックの禁止令に背く行動をとるなど、ショーに対して反抗的で2人はたびたび衝突を繰り返していました。

 

そんな生活を送り、大学進学を機に田舎を離れたいと思っていたアリエルにとって、都会から転校してきたレンの存在は異質なもので、徐々に惹かれていきます。

 

 

主人公のレンにとっては、それまで当たり前にあったダンスやロックが禁止されることやその町自体が異質なものであり、まるで異世界転生でもしたのかと思うくらいの境遇に置かれます。

 

 

鑑賞している人間としてはレンの感覚の方が圧倒的に近いため、田舎の規則を押し通そうとする人間たちが少し滑稽に思えるほどでした。

 

しかし、その規則ができた理由の交通事故についてはとても悲しいもので、その事故を風化させたくないという考えも理解できます。

 

その上で、事故をきっかけに始まった規則に縛られ続けることで、町全体がその事故から前に進めていない状況などが映し出されます。

 

またそこへのやるせなさが登場人物たちの行動に通じ、感情の爆発から起こるレンの倉庫でのダンスシーンの躍動感は凄まじいものになっていました。

 

初めて鑑賞したときは「何もそこまで踊り狂わなくても…」と冷めた目で見てしまいましたが、自分の行動が裏目に出たりさまざまな面で妨害があったりなど、行き場のない感情の発露が表れているシーンなのだと、2回目の鑑賞で納得しました。

 

ダンスというより新体操?SASUKE?のような感じでしたが。

 

とはいえ、たびたびアリエルの行動が常軌を逸していたりするので、レンの行動が可愛いものに映るくらい、彼女のインパクトも大きなものになっています。

 

厳格な父親に対抗する娘として腕っぷしの強い場面も確かにありますが、レンがダンス禁止令を解き卒業パーティを開催するために動き出す場面では、牧師の娘らしい一面も垣間見せて、腕っぷしと反抗心だけではない人物なのだと改めて見せつけられました。

 

 

力づくで現状を打破する物語ではないのが、また良いですね。

 

 

抑圧的な環境からの変化と停滞していた状況からの出発など、普遍的なテーマでありながらもダンスシーンをもって明るく出発する若者たちの描写は爽快でした。

 


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*1:日本での劇場未公開。