実写映画化もされ、今月末の公開です。
木暮が5月に購入した本の、『BRUTUS 特別編集合本 マンガが好きで好きで好きでたまらない』でも紹介されていた『マイ・ブロークン・マリコ』。
物語のあらすじから、とても気になっていました。
そして先日、YouTubeのおすすめに登場した映画『マイ・ブロークン・マリコ』の予告映像をみて、ますます原作が読みたくなったので実際に読んでみました。
今回はその感想を書いています。
『マイ・ブロークン・マリコ』概要
巻数:全1巻
作者:平庫ワカ
出版年月日:2020年1月8日 初版発行
出版社;株式会社KADOKAWA
主な登場キャラクター
シイノ トモヨ:主人公。マリコの幼馴染。
あらすじ
友達のマリコが死んだ。突然の死だった。
柄の悪いOLのシイノは、彼女の死を知りある行動を決意した。
女同士の魂の結びつきを描く、鮮烈なロマンシスストーリー!
感想
物語以前の話になってしまうのですが、ひとコマ、ひとコマの描写が抜かりなく、セリフも必要最低限なので、読んでいて作中の世界観に引き込まれる感覚になりました。
木暮的にはセリフが少なめの漫画の方が好みなので、同じような好みの人には、まずおすすめしたい漫画です。
さて、ストーリーの感想に入っていきます。
主人公のシイノの柄の悪さと、おとなしい性格のマリコが対照的に描かれているのが、この物語を読み進める上でリアリティを増しているような気がしました。
物語は、シイノがマリコの死を知ったところから始まります。
2人の関係性は「友人」という言葉以上の精神的な結びつきがあり、その関係性を考えると、マリコの死の知り方が2人の距離感に見合っていないような気さえしました。
シイノは亡くなったマリコのこれまでの生活や人生を振り返り、最後に自分が何かできないかと考え、とある行動に移りマリコの死に向き合っていきます。
これまでの関係で何度も話したり、説教したりしてきたシイノは、マリコがどんな人生を歩んできたのか、どんなことと向き合ってきたのかを知っていたはずでした。
それなのに、そのマリコがなぜ突然の死を遂げるに至ったのかについては、雲を掴むように難しく、作中のシイノはマリコ不在の世界で、知らなかったマリコの側面を知ろうと踠いていきます。
なぜマリコは、あれほど深い結びつきを築いてきたシイノに対して、最期の決断をする前に相談しなかったのか。相談できなかったのか。
読んでいく中で読者も、シイノ側に立ってマリコの死に向き合うことになり、淡々と物語が進みますが、シイノの感情の波を確かに感じることができる不思議な漫画でした。
また、印象的なセリフも多いのですが、個人的には絵の表現に鳥肌が立つ場面が多々ありました。
なぜタイトルが『マイ・ブロークン・マリコ』なのかを絵とセリフの両方で表現され…
シイノの姿とマリコの姿がリンクしたかのように見えるシーンもあり…
読んだあとの余韻がしばらく続きました。
映画『マイ・ブロークン・マリコ』概要
公開:2022年9月30日予定
上映時間:85分
監督:タナダユキ
予告編
映画公式サイト