やおら日記

日々のあれこれを なんやかんや書いているナマケモノ日記

【ビジネス書】スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』

「もし恐怖がなかったら、何をするだろう?」

 

木暮の魔境と化している積読の山から、今回はこの1冊を救出しました。

 

2匹のネズミと2人の小人のうち、どのキャラクターに自分が当てはまるのか…

 

 

チーズはどこへ消えた?』概要

作者:スペンサー・ジョンソン

出版年月日:2000年11月30日 第1刷

出版社:株式会社扶桑社

 

著者概要*1

スペンサー・ジョンソン(1938-2017)

アメリカの医学博士、心理学者。『チーズはどこへ消えた?』以外にも『1分間マネジャー』、『迷路の外には何がある?』など多数の著作を発表している。

 

本について

米国の医学博士・心理学者であるスペンサー・ジョンソンが著した童話でありビジネス書。1998年に原作が米国、2000年に翻訳版が日本で発売されて以降、累計発行部数は日本で400万部、全世界で2800万部を突破。発売から20年以上経過した今もなお読まれ続けている世界的ベストセラー。IBM、アップル、メルセデス・ベンツ等、世界のトップ企業が研修テキストに採用。ストーリーからは「変化を恐れぬことの大切さ」、「心構えや行動など変化に対してどのように探知して順応していくか」についてのヒントを得ることができる。

(引用)『チーズはどこへ消えた?』扶桑社公式サイト

 

本の構成

チーズはどこへ消えた?』は訳者あとがきも含めて94ページという、読みやすい本です。

 

そして、本の構成は3部構成になっています。

 

最初に「ある集まり」と題した、同窓会のシーン。同窓会では、自分たちの変化に対しての話になり、そこでとある人物が「チーズ」にまつわる話をします。

その話が2つめのチーズはどこへ消えた?」の物語部分です。

そして最後は同窓会のシーンに戻り、チーズはどこへ消えた?」の物語を聞いて、どのように考えたのかをディスカッションするという場面です。

 

この本では主に「変化」に対する受け止め方を2匹のネズミと2人の小人の、計4キャラクターで描かれます。

 

チーズはどこへ消えた?」物語部分の登場キャラクター

ネズミ小人

スニッフ:いち早く変化を嗅ぎつける

スカリー:すぐさま行動を起こす

ヘム:変化を認めず、変化にさからう

ホー:うまく変化の波にのろうとする

 

この2匹と2人は、迷路の中でチーズを探して暮らしています。

 

ここでの”チーズ”は言うなれば、わたしたちが人生で求めるもの(仕事、家族や恋人、自由、お金など)を象徴しています。

 

また、登場キャラクターではわたしたちの中にあるものとして

スニッフスカリー単純さヘムホー複雑さを象徴しています。

 

そして”迷路”はチーズを追い求める場所(会社や地域社会など)を象徴しています。

 

物語のあらすじ

スニッフスカリーヘムホーは日々、迷路の中でチーズを探していました。

 

スニッフスカリーはネズミで単純な思考を持ち、固いチーズを探していました。

一方、ヘムホーは”真実のチーズ”を探しており、見つければ幸運になり成功を味わうことができると信じていました。

 

スニッフスカリーは、単純で非効率的な方法で試行錯誤を繰り返しながら迷路を行ったり来たりして常に新しいところへと向かっていきました。

 

ヘムホーも過去の経験を活かしながら、複雑な頭脳に頼ってスニッフスカリーよりも高度な方法でチーズを探し続けました。その分、迷路の中で生きるのが、より複雑になりました。

 

ある時、2匹と2人は「チーズ・ステーションC」の通路の端で、好みのチーズを見つけ、それからというもの2匹と2人は毎日「チーズ・ステーションC」に来て舌鼓を打ちました。

 

チーズがあるのが当たり前になり、ヘムーはこれだけの量のチーズがあれば、生涯安泰だと思っていました。

 

しかしある時、「チーズ・ステーションC」にあったチーズがなくなっていました。

 

感想

さて、チーズがなくなっていたことに気づいた2匹と2人はどんな行動に移ったのか。

 

この本ではその後の2匹と2人の行動の違いを見ていくことで、自分の行動がどのキャラクターに当てはまるのかを考えることになります。

 

木暮はこの本で、以下のことを学びました。

  • すぐに変化に気づけるように物事の周囲も意識する
  • 変化は起こるものだと思っておく
  • 変化に直面した場合は、できることから行動を起こす
  • 不安(恐怖)に襲われても、前に進み続ける
  • 新しいところに進めば、そこで新たな発見があるのだと思う

 

チーズがなくなったときにすぐに行動を起こすのか、すぐには行動を起こさずにその場に止まるのか。

 

行動を起こした後に上手くいかなかった場合、ひたすらに試行錯誤を繰り返すのか、元いた場所に一度戻って考えるのか。

 

木暮は物語部分を読んで自分はヘムのような行動を取りがちだと思い、ホーのように遅れてでも行動を起こしたいと思いました。

 

ヘムは状況の変化を受け止めることをせず、その場に止まります。

 

止まることで状況が好転する見込みがあるなら、それでも良いのですが、現実はそういったことは奇跡に近いと思います。

 

同じ小人のホーヘムと行動を共にしていましたが、現状を変えなければならないと決心し、ヘムよりも先に行動を起こします。

 

途中、何度も恐怖に襲われますが、「遅れをとっても何もしないよりはいい」と、恐怖に対しての考えを改め、先へと進んでいきます。

 

中でも印象的だったのは、ホーが恐怖に押しつぶされそうになったとき、「もし恐怖がなかったら、何をするだろう?」と自問する場面です。

 

変化に対応していく中で、「この道に進んでいて大丈夫なのか?」「策が見つからなかったらどうしよう?」などの不安(恐怖)は、必ず襲ってくるものだと思います。

 

しかし、ホーのこの言葉のように考えることができたら、次に進むきっかけを作れそうだと思いました。

 

考え方次第で変化に柔軟に対応できるのだと思うと、先に進むことへの躊躇いが軽減されるような気がします。

 

また、ホーは恐怖を乗り越え、チーズを手にしたときの自分を心の中で思い浮かべました。

 

イメージトレーニングのようなものかと思いますが、そういったことをすることで、自分が求めているものへの道筋が明らかになるのだと思います。

 

ホースニッフスカリーよりも行動が遅くなりましたが、行動に移してからの姿が清々しく、ホーのようにありたいと思う木暮でした。

 

 

少し前に「みんなのお題」の中にあった「高校生の自分に読ませたい本」のお題を結局書けなかったのですが、本書はそれにあたる本だなと読んでいて思いました。

 

「人生は選択の連続だ」という言葉を耳にしますが、生きていく上でのさまざまな選択は避けては通れないものだと思います。

 

振り返ると高校生以降は特に、選択しなければならない場面が一気に押し寄せてきて右往左往しているうちに、二十歳を過ぎて社会人になって…という生き方をしていたので、この本こそ早めに読んでおくに越したことはないのかなと思いました。

 

 

余談

いつも本に関する記事を書くときに分類をするために【小説】や【漫画】といった文字をタイトル始めに書いているのですが、今回のような本は何にあたるのかが分からず、TSUTAYAで陳列されていた本棚の分類をそのまま書きました。

 

【ビジネス書】で合っているのか…?

 

でもこの本を世界のトップ企業が研修に使用しているそうだし…

 

そして新書の場合の表記も悩んでいます。ちょっと試行錯誤していくと思います。

 

 

 

*1:『チーズはどこへ消えた?』扶桑社公式サイト参照。最終閲覧日2022年11月11日