やおら日記

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【東京旅行記4】水木しげるの妖怪百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜 編

 

東京旅行記の第4弾は「水木しげるの妖怪百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜」編です。

 

以前、水木しげるのエッセイ本『人生をいじくり回してはいけない』について書き、ますます水木しげるに興味を持ったところ、タイミング良く展覧会が開催されていると知り、猪突猛進で六本木森ビルに向かいました。

 

今回はその模様をお伝えします。

 

水木しげるのエッセイ本についての記事はこちら。

kokuremutsu.hatenablog.com

 

 

水木しげるの妖怪百鬼夜行展〜お化けたちはこうして生まれた〜

会期:2022年7月8日(金)〜9月4日(日)

会場:東京シティビュー六本木ヒルズ森タワー52階)

開場時間: 10:00〜22:00(最終入館21:00)

※情勢により営業時間の変更や休業となる可能性あり。

公式サイト:水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 ~お化けたちはこうして生まれた~

 

巡回展のため、東京以外では滋賀県の佐川美術館で2022年9月16日〜11月27日まで開催されるようです。詳しくは公式サイトをご覧ください。

 

展覧会概要

水木しげる生誕100周年を記念して、
東京シティビューを舞台に水木しげるの妖怪世界を
壮大な景色とともに存分にお楽しみ頂ける展覧会です。

本展では、水木しげるの描いた日本の妖怪たちが
どのように生まれてきたかを紐解きます。
江戸時代の絵師・鳥山石燕の「画図百鬼夜行」、
昭和初期の民俗学者柳田國男の「妖怪談義」など、
水木自身が所蔵する妖怪関係資料を初公開。
そして百鬼夜行の名にふさわしく、
水木しげるの妖怪画を100点以上にわたって一挙公開します。

妖怪研究に没頭し、
現代の日本人に「妖怪」という文化を
根付かせた水木しげる
どのように妖怪と向き合い、描いてきたのか。
本展を通して妖怪を身近に感じて下さい。

(引用)水木しげるの妖怪 百鬼夜行展 ~お化けたちはこうして生まれた~

 

ゲゲゲの鬼太郎』や『河童の三平』で知られる漫画家・妖怪研究家の水木しげる生誕100周年を記念した展覧会。

 

妖怪に関する古典などをもとに、水木しげるがどのように妖怪を漫画という形に落とし込んでいったのか、そしてその貴重な原画を間近で見ることができました。

 

 

滞在時間(おおよそ)

12:00〜14:00(約2時間)

 

併設している妖怪カフェにも寄っているので、その時間も含めています。

 

後述のAR体験をコンプリートする場合、もっと滞在時間がかかったかもしれません。

 

 

六本木ヒルズまでの道のりも面白かった

木暮は今回六本木ヒルズに向かう際に、乃木坂駅で下車することに

 

これまで、六本木ヒルズにはワンピースやハリーポッター井上雄彦の展覧会などで何度も訪れているので、六本木ヒルズに到着してからの心配はしていませんでしたが、乃木坂駅からだと道が分からず、迷いながらも面白かったです。

 

途中、国立新美術館の横を通り、ひと安心しながらディープな道を通っていくと、六本木ヒルズが見えてきました。


こういう、建物などの隙間から奥を見る感じは東京に来たな〜と思う要素のひとつです。

 

エレベーター独占

前述の通り、これまで何度か東京シティビューには来ており、その度にエレベーターでのすし詰め状態に嫌気が差していましたが、偶然にも52階までのエレベーターは木暮1人で独占。

 

こんなことってあるんだ…

 

と呆気に取られているうちに到着しました。

 

当日券購入

入場券はネットでも買えますが、木暮はどのタイミングで行けるか分からなかったので行ってからチケットを購入することにしました。

 

以前行ったときのチケット売り場は複数の窓口で対人で購入していたと思うのですが、時代の流れからか券売機がズラッと立ち並び、非接触でのチケット購入になりました。

 

ちょっと支払い方法の操作で手間取りましたが、スタッフの人にも対応していただきながらチケットを無事購入できました。

 

券売機などの操作については、機械操作等で不安な人でも安心して利用できると思います。

 

 

いざ会場へ

この日は平日でしたが、やはり水木しげるの生誕100周年記念の展覧会。

 

夏休み前だったのでお子さま連れの方は少なかったのですが、混んではいました。

 

会場内では撮影可能な場所とそうでない場所があり、入り口進んですぐのところではARを用いた体験型の「妖怪カメラ」というもので、会場内にいる妖怪を探して撮影できるという仕掛けがされていました。

 

木暮は全てをコンプリートできませんでしたが、これから行かれる人はぜひコンプリートを目指してほしいです。

 

展覧会の最後にそのARの妖怪コンプリートで、楽しめる仕掛けがありますので…

 

 

会場に入るとまず目を引くのがこの題字と提灯の数々。

 

そして木暮のイチオシ妖怪の「べとべとさん」もお出迎えしてくれています。

 

 

べとべとさんは柳田國男の『妖怪談義』にも登場し、独りで道を歩いていると誰かが後ろを歩いているような足音が聞こえ、そのときに「べとべとさん、さきへおこし」と言って道を譲ると足音がしなくなるという妖怪です。

 

木暮はこのべとべとさんのフォルムとその特性のシュールさが好きで、今回の展覧会にも登場していて嬉しかったです。

 

そのほかにも、「児啼爺(こなきじじい)」や「化け草履(ばけぞうり)」「天井嘗め(てんじょうなめ)」などの妖怪の像も展示されていました。

 

これらの像は水木しげるの故郷・鳥取県境港市の妖怪ロードにある妖怪のブロンズ像と同じ妖怪だそうです。

 

また、会場内ではNHKEテレ「てれび絵本」で放送された「水木しげるの妖怪えほん」を視聴することもできたので、水木しげるが描いた妖怪について詳しくない人でも楽しめる仕掛けがされていました。

 

妖怪たちの迫力の展示

会場内では、水木しげるの描いた妖怪が立体的に再現されていました。

 

その中でも撮影可能だったのが「ぬりかべ」。

 

写真では伝わりづらいのですが、170cmはあるかというくらいの大きさで、まさしく壁のように重量感がありました。

 

「ぬりかべ」に遭遇した際の対処には少し工夫が必要で、ポイントは「ぬりかべ」の足元へのアプローチです。

 

それ以上は…言及を避けようと思います。

 

 

ここで言及するのはなんとなく野暮かなと思ったので…

 

 

水木しげるの妖怪原画

水木しげるは晩年までに約800点以上の日本各地の妖怪を描くことになったそうです。

 

今回の展覧会では100点以上の原画が展示されており、実際に原画を見てみるとその繊細なタッチに見入ってしまいました。

 

それらの原画を見ていると、かつての朝ドラ「ゲゲゲの女房」での、とあるシーンが思い出されました。

 

水木しげる編集者から漫画について「そこまで細かく描いても、印刷では潰れてしまうのでは」と疑問を投げかけられた場面です。

 

朝ドラ放送時、木暮は水木しげるの漫画をちゃんと読んだことがなかったので、この場面の意味を深くは考えませんでしたが、今回の展覧会でその場面に納得がいきました。

 

どの原画もとても緻密なのですが、木暮が特に見入ってしまったのは「ぬらりひょん」が描かれた原画です。

 

ぬらりひょんの着物の柄、質感、ぬらりひょんが佇む建物の暖簾の織り目、障子の格子など、絵全体で「ぬらりひょん」という妖怪を表現している様に圧倒されました。

 

たしかに、昭和の印刷技術ではもしかしたら潰れてしまうのではないかと思うほどの細かさで、編集者が危惧するのも確かになと思いました。

 

この感覚は原画を実際に見てみないと理解できなかったことなので、今回タイミング良く展覧会に行けて本当によかったです。

 

 

水木しげると古書

水木しげるは妖怪研究をする上で神保町で妖怪に関する古書を探し、それをもとに妖怪を漫画という形に落とし込んでいたようです。

 

その際に収集していた古書が実際に展示してあり、水木しげるのものとみられる書き込みも見ることができました。

 

古いものでは江戸時代の浮世絵師・鳥山石燕の『画図百鬼夜行』も展示されており、水木しげるの妖怪研究の一端を見ることができたと思います。

 

そのほかにも柳田國男『妖怪談義』や井上円了『妖怪学』など多数の古書が展示されています。

 

それぞれの妖怪に関する著作の著者に対しての水木しげるの言葉も面白く、真剣に展示を見ていたのですが、少し笑ってしまいました。

 

 

水木しげるの活動について

漫画家・妖怪研究家の水木しげるの活動について、博物学者・作家の荒俣宏や小説家の京極夏彦などもコメントを寄せています。

 

古今東西の妖怪情報を収集し2000点以上の妖怪画を描き、最晩年には『妖怪大全』という本を出すまでに至るほどの妖怪研究家の水木しげる

 

その人物像が周囲の人によって明かされていくことにより、古書店巡りや妖怪に関する探究心について深く知ることになりました。

 

 

妖怪の森cafe

 

コラボカフェの営業時間は、11:00〜22:00(フードL.O.21:00、ドリンクL.O.21:30)。

展覧会会場と同じく六本木森タワー52階にあります。

 

東京シティビューの展覧会の醍醐味のひとつであるコラボカフェ。

 

お食事メニューもありましたが、今回はこちら。

 

「べとべとさんがお出迎えしてくれるパフェを食わずして、何を食べるって言うんだい」という気持ちで貪り食べました。

 

美味。

 

べとべとさんは、蒸し暑い東京を一気に吹き飛ばしてひんやりさせてくれました。

 

妖怪に思いを馳せながらパフェを完食し、森ビルを後にしました。

 

 

おわりに

今回は本当にタイミングが良く、水木しげる生誕100周年の展覧会に行くことができました。

 

水木しげるの漫画はまだまだ収集できていませんので、今年中には実際に漫画を読み込みたいなと今回、原画を間近で見て強く思いました。

 

また、今回の東京旅行では調布市に行くことができなかったのが悔やまれます。

 

調布市では「鬼太郎茶屋」や「ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターが描かれたマンホール」などを見ることができるそうなので、今後また東京に来ることがあったら必ず行くと心に決めました。

 

東京の次回に持ち越しの行きたい場所がどんどん増えてる…

 

5泊6日とかになりそうで怖い…

 

夏ということで妖怪を見て涼しくなるも良し、水木しげるの妖怪研究・漫画に思いを馳せるも良しの展覧会でしたので近郊の人にはぜひ行ってほしいです。

 

 

 

また、2022年7月31日(日)9:00*1からNHKEテレ日曜美術館」で水木しげるの妖怪画の特集がされるそうです。こちらも必見です。

 

www.mizukipro.com

 

 

余談

展覧会のグッズでアクリルブロックがあったので購入してみたところ、バックベアード様を手に入れました。

 

バックベアード様は西洋妖怪最強の帝王ということで、べとべとさん同様に丸いフォルムに愛着が湧いたので仕事机に飾っています。

 

冷酷な妖怪なのでバックベアード様に見限られないように働かねば…

 

そのほか、展覧会限定のオノマトペマグカップも購入しましたが勿体無くて使いたくない…

 

関連サイト

www.mizukipro.com

 

www.mizukipro.com

 

kitaro-chaya.jp

 

mizuki.sakaiminato.net

 

東京旅行記

yaora-diary.com

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*1:お住まいの地域の放送時間については念の為日曜美術館公式サイトをご覧ください。