ここぞというタイミングで流れると嬉しい
映画などの映像作品の中では、必ずと言って良いほど挿入歌が流れます。
今回は、これまで観た映像作品で特に印象に残っている挿入歌が流れるシーンについて、備忘録的に書いていきます。
あらすじについてはあまり触れずに、挿入歌の流れるシーンについて絞って書いています。
木暮の主観によるところが大きいですが、各作品のオススメ部分を挿入歌に着目して木暮なりに書いています。書いていくうちにアニメ作品多めになりました。
『魔女の宅急便』
公開:1989年7月29日
上映時間:102分
主題歌:荒井由美「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」
監督:宮崎駿
ジブリ映画の中でも曲のかかるタイミングで特に印象的なのが、この『魔女の宅急便』です。
「やさしさに包まれたなら」はエンディングに流れますが、「ルージュの伝言」は物語が始まり、主人公のキキが旅立つシーンで流れます。
キキが地元を旅立った直後、相棒の黒猫ジジに「ラジオつけて」と言って、箒の柄の部分に下げているラジオのスイッチにジジが触れた瞬間に、そのラジオから「ルージュの伝言」が流れるというシーンは、物語への導入としてこれ以上ないのではないかと思うほどの胸が躍るシーンになっていると思います。
主人公のキキが箒に乗って夜空に登っていく様子と、「魔女の宅急便」というタイトルの登場がこれまた良い!
その後ある人物と出会い、話し始めるとそれまでの音質から、ラジオから流れるような音質に変わるという演出も、この曲が流れるシーンが好きな理由の1つでもあります。
金曜ロードショーで『魔女の宅急便』が放送されるときは、半ばこのシーンを目当てに観ていると言っても過言ではないです。
もちろん物語自体も好きなのですが、魔女の宅急便で好きなシーンを聞かれるならば、このシーンのことを挙げるくらいに木暮にとってこのシーンは、何度見ても毎回胸が躍るとても好きなシーンです。
『コクリコ坂から』
公開:2011年7月16日
上映時間:91分
監督:宮崎吾朗
『コクリコ坂から』は、主題歌の手嶌葵「さようならの夏 〜コクリコ坂から〜」が物語の終盤に流れて、そのときの主人公たちがいる場所の風景ととてもピッタリきていて物語の余韻に浸ることができるのですが、今回は主題歌以上に挿入歌にも注目したいと思います。
『コクリコ坂から』の挿入歌は複数ありますが、坂本九「上を向いて歩こう」の流れるシーンが個人的には時代設定を表す装置として大いに活躍していると思っています。
特に、主人公が移動するシーンで流れているので、そのときの背景の風景と曲が合わさることで、その時代(昭和38年・1963年)を垣間見ているようで、物語の世界に引き込まれます。
1回目は主人公が買い出しに行くシーンで白黒テレビから流れ始め、
2回目は主人公が新橋から地元の横浜に電車で帰るシーンで流れます。
まだ『コクリコ坂から』を観ていない人は、ぜひ曲の流れるシーンの背景にも注目してほしいです。
あとは劇中に登場する1964年の東京オリンピックのポスターでも、作品内の時代を感じることができますね。
『タッチ』(アニメ)
放送:1985年3月24日から1987年3月22日までフジテレビ系列で放送
話数:全101話
原作:あだち充『タッチ』
総監督:杉井ギサブロー
アニメ『タッチ』は実際に観たことがない人も、おおよその内容は知っている名作だと思います。
双子の兄弟(上杉達也・上杉和也)と幼馴染の浅倉南の3人を中心に物語が進む、高校野球を題材にした物語です。
約2年間という期間での放送だったので主題歌は複数ありますが、その中でも第1話〜第27話までのオープニング曲である岩崎良美「タッチ」は、DAMやJOYSOUNDのカラオケのアニメソングランキングでもランクインし続けているほどの名曲です。
しかし、今回は挿入歌について注目したい。
放送期間が2年ということで挿入歌も主題歌同様に複数ありますが、その中でも斉藤由貴「卒業」やチェッカーズ「涙のリクエスト」が特に印象深いです。
斉藤由貴「卒業」は第5話に達也がテレビを見ているシーンで流れます。
チェッカーズの「涙のリクエスト」は第54話の喫茶 南風のシーンでカラオケバージョンが流れます。第54話ではそのほかにもチェッカーズの「哀しくてジェラシー」と「星屑のステージ」も同様に喫茶 南風のシーンで流れます。
このチェッカーズの3曲が流れたのには、タッチの音楽担当の芹澤廣明氏が作曲・編曲をしているのも関係していることも関係しているのだろうなと思います。
どの曲もいまだに音楽番組の昭和歌謡特集のときに聴く名曲で、木暮は斉藤由貴「卒業」を初めて聴いたのが『タッチ』だったので、音楽番組で流れたときはアニメだけの曲じゃなかったのだと驚きました。
原作漫画が描かれ、アニメ化もした1980年代という時代を挿入歌で感じることができるのは、その後の時代に観てもその作品の時代に入り込めるという点で『コクリコ坂から』とも近い役割を担っているのかなと思います。*1
『Stand by me』
公開年:(アメリカ)1986年8月22日、(日本)1987年4月18日
上映時間:89分
原作:スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー』
主題歌:ベン・E・キング「スタンド・バイ・ミー」
監督:ロブ・ライナー
先日、初めて観たということで記事にしました『Stand by me』ですが、今回は以前記事に書かなかった挿入歌について触れます。
『Stand by me』は同名の主題歌が有名だと思いますが、挿入歌も印象深かったです。
挿入歌はこちらも複数あるのですが、その中でもBobby Day「Rockin' Robin」やThe Chordettes「Lollipop」は、この作品に限らずよく耳にする曲だと思うので、曲名ではわからずとも実際に聴いてみると聴いたことのある曲だと思います。
Bobby Day「Rockin' Robin」は、物語冒頭に主人公ゴーディがツリーハウスに向かうシーンで流れます。
The Chordettes「Lollipop」は、主人公たちが線路を歩くシーンで流れ、テディやバーンがそのシーンで歌っています。
どちらの曲もリリースが1958年ということで、映画の時代設定に合った曲になっていて、主人公たちがその時代に確かに存在しているという演出としても大きな機能を果たしていると思います。
おわりに
今回は、ミュージカル映画や音楽業界を題材にしている映画、歌詞が物語進行上に大きな意味を持つ使い方をされている映画などに登場するような「物語に直結する挿入歌」ではなく、あくまで「物語に直結しない挿入歌」に絞って作品を紹介しました。
「物語に直結する」ものだと多くのシーンが対象になるのと、その映像作品で初めて発表された曲の場合、映像作品以外の印象が濃くないと考えたことも理由にあります。
今回紹介した4作品に登場する挿入歌は「物語に直結しない」にも関わらず、とても印象的なシーンに登場している点や、その曲単体でも映像作品以外に耳にしたことがあるという点で、取り上げようと思いました。*2
また、その作品の時代を表す役割を担っているという点も、今回書こうと思った理由にあります。
今回書いた4作品に登場する挿入歌ですが『魔女の宅急便』以外の作品の挿入歌は、その作品の時代設定に密接に関わっているという点が共通していると思います。
木暮はこうした「ある時代」を題材にした映像作品内で行われる、その時代の曲がかかる演出がとても好きです。さりげなくかかるのが逆に印象的なのがまた最高です。(語彙力の欠乏)
作品内の時代を映像内で表すには、その時代に実際に使われていた車や電子機器、その当時の大きな出来事を表す新聞記事などの小道具や大道具を使うことが1番視覚的に印象付けやすい手法だと思います。
しかし今回紹介したような挿入歌の存在も、その時代を経験していない人や、その時代を生きてきた人などの作品を「観ている側」の人に、その時代設定を示す聴覚的な要素としてはとても重要な役割を担っていると思います。
今回紹介した4作品以外にも、挿入歌が印象的な映像作品はまだまだありそうなので、今後それらに触れる機会があれば、記事にしていきたいなという淡い思いを持ったまま、今回の記事を締めます。
余談
今回は挿入歌について書いたので、iTunes商品紹介で曲の貼り付けをしたかったのですが、枠がヘンテコな感じになってしまいあまり見栄えがよくない状態なので貼り付けませんでした。前はこんなことなかったと思うのですが…気のせいか…
HTML編集でうまいことできれば良いのですが、そういった知識が薄い木暮には難しく…
そのほかもいろいろと編集とプレビューが大幅に違うこと*3が多々あるので、ブログのテーマを変えるしかないのか…
気に入っているテーマなのですが、最近確認したところブログテーマの編集についてのテーマ原作者の記事が非公開になっているので、次にテーマを変えた場合、元に戻すことができないのが少々こわいところ…
そもそもブログのテーマがそういった不具合(?)に関係しているのかさえわかりませんが。
仮にブログのテーマを変えて商品紹介貼り付けが問題なさそうなら、今回の記事にも後から商品紹介を貼り付けようと思います。いつになることやら…