森見登美彦原作の『ペンギン・ハイウェイ』の映画版の感想記事です。
『ペンギン・ハイウェイ』概要
公開年:2018年8月17日
上映時間:119分
監督:石田 祐康
あらすじ
小学四年生のアオヤマ君は、一日一日、世界について学び、学んだことをノートに記録している男の子。利口な上、毎日努力を怠らず勉強するので、「きっと将来は偉い人間になるだろう」と自分でも思っている。そんなアオヤマ君にとって、何より興味深いのは、通っている歯科医院の“お姉さん”。気さくで胸が大きくて、自由放でどこかミステリアス。アオヤマ君は、日々、お姉さんをめぐる研究も真面目に続けていた。
夏休みを翌月に控えたある日、アオヤマ君の住む郊外の街にペンギンが出現する。街の人たちが騒然とする中、海のない住宅地に突如現れ、そして消えたペンギンたちは、いったいどこから来てどこへ行ったのか.......。ペンギンへの謎を解くべく【ペンギン・ハイウェイ】の研究をはじめたアオヤマ君は、お姉さんがふいに投げたコーラの缶がペンギンに変身するのを目撃する。ポカンとするアオヤマ君に、笑顔のお姉さんが言った。
「この謎を解いてごらん。どうだ、君にはできるか?」
(引用)ABOUT THE MOVIE|映画『ペンギン・ハイウェイ』公式サイトより一部引用
感想
主人公のアオヤマ少年は、小学校4年生。
近所の歯科医院のお姉さんに興味津々であり、世界のあらゆることへの好奇心は、人一倍です。
冒頭はそんなアオヤマくんの日常の紹介から始まります。
そのアオヤマくんの探究心には驚きます。
木暮も幼いころはいろんなことに興味を持って、雑草とかを採集していたなと思い出しました。
昔は道端に落ちている物とか、変なところから生えた綺麗な花とか、近所の猫の隠れ場所とか知っていましたが、今となってはもうそういうことに気づかないことの方が多いです。
なので、映画の冒頭のアオヤマくん自身による紹介は、みていてこちらも好奇心がくすぐられる演出でした。
そしてアオヤマくんのお父さんも研究に関して息子の好奇心をそのままに活かした対応をしていて、
子育てのレベルが高ぇ…!!!
と思いました。
この物語に登場する「お姉さん」は、「普通」のお姉さんではありません。
しかしアオヤマくんが年上のお姉さんに興味を持つ段階は、現実にも起こっている現象だと思います。
簡単に言うと、幼稚園児が園の先生に興味を持つような、
クラスメイトの女子が気になり、ちょっかいを出すような…
そんなところです。
なので、この物語にあるひと夏のお姉さんとアオヤマくんのやりとりや関係性は、もしかしたらそういったことのオマージュなのかなと思いますし、おそらくそういう関係性を経験した人も中にはいると思います。
こんな感じで今作には直接的な敵は登場しませんが、そうとも取れるような比喩が登場したりと、至る所に比喩があり見ていて話にのめりこみ易かったです。
だとしても、あの海の存在とペンギンの存在が何の比喩になっているのかがわからない木暮は、現在とても悔しい思いで原作を読み進めています。
海とペンギンが何の表れなのかがわからない…!
劇中で登場する世界の果てなのはわかるんですけど、それって何に置き換えられるのか…
そういう謎を抱えるとアオヤマ少年のように探究心が蘇ってくるようでした。
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